海津市 今尾の左義長

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濃尾平野三大河川が合流する海抜0メートル地帯、
堤防に囲まれた「輪中」で知られる岐阜県海津市。

西に目をやれば、三重との県境に養老山脈、
滋賀との県境には伊吹山がそびえています。

晴れたこの日は、北に白山も遠望できました。

2月11日、平田町今尾、、
秋葉神社でおこなわれた「今尾左義長」。
「日本三大左義長」に数えられる神事です。




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今尾の町へ到着すると。
メインストリートに竹でできたつくりものがズラリ。

小正月を中心に正月飾りやお札などを燃やし、
歳神をおくる左義長(どんど焼き)。
こちらでは、13の町内ごとにこのつくりもの
(竹神輿、左義長)を秋葉神社まで吊り込み、
焚きあげてゆきます。

平均的なものは直径2メートル、
高さ5~6メートル、重さ1.5~2トン。
使われる竹は1,000本以上。
町内によって大きさはかわり、
子ども左義長をつくる町内もありました。

おそらく書初めでしょうか、
「和合楽」「自福円満楽」「家内長久」・・・
と大書した五色旗が立てられています。

正面には海老の飾り物。

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今尾神社、秋葉神社の神札が結び付けられています。

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左義長を担ぐ若衆は、揃いのハデな襦袢に白足袋。
奇抜なメイクが目を惹きます。

  男化粧に 歌舞いてみても
    粋じゃ負けない 男伊達

『今尾左義長音頭』に、そんな歌詞があります。

たしかに、写真をお願いすると、皆さん、
気軽にカブいてくださる、ナイスガイばかりでした!

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午後から、日暮れまえにかけて、
1基ずつ吊り込まれてゆくのですが、
そのまえに必ず行われるのが「灰除け」。

まえの町内の左義長の燃え残りを、
境内の端に押しやって、
自分たちの左義長を据える場所を
確保するためにおこなうものです。

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その時、まだ燃え残る灰塵を、
先をT字にした青竹で高く舞い上げます。

降り注ぐ灰の量はハンパありません。

帽子、ダウンJK、セーター、ジーンズ、
すべて焦げて穴があいてしまいました(笑)
でも、この灰をかぶると、その年、無病息災とのこと。

昔は、このあたりも畑だったので、
そこに撒くという意味もあったのだそうです。 

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各町内の吊り込み順は、
毎年決まっていて、神社に近い順。

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宮元の町内の左義長が、
秋葉神社境内に吊り込まれ、
1基ずつ火付けされてゆきます。

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秋葉神社の創建は慶長19年(1614年)。
今尾の伊勢神宮神領に外宮より豊受姫大神を勧請。
ことしでちょうど400年ということになりますね。

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左義長自体は、社の創建以前より
おこなわれていたといわれますが、詳細は不明。
現存する最古の記録は明和4年(1767年)だそうです。

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安政5年(1858年)、
今尾藩9代目藩主竹腰正富が
倹約令により左義長を中止させたところ、
今尾藩で大火が起こり、
翌年からは火難災難厄除けの祭りとして
再開されたのだといいます。

そのためか、古い民家には、
防火用の袖うだつが残るのが印象的でした。

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宮入りした左義長は、若衆によって、
右回り、左回りに回転させられながら、
所定の位置に据えられてゆきます。

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「火付け」がおこなわれます。

最初の左義長は、
神前から宮司によってはこばれた忌火を
「とりつぎ藁」にうつし、
若衆が藁で火を受け火付けされます。

二番目以降は、まえの左義長の残り火を、
若衆が藁で受けて火付けしてゆきます。
左義長はたちまちのうちに燃えあがります。

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  空を真っ赤に染め上げて
    響く爆竹 血が躍る
  
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  神輿吊り込み 引き回せ
    火の粉舞い上げ 駆け抜けろ

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炎が一段落すると、
左義長がバラけてしまわないように、
若衆が、水に浸した荒縄を、
右回り、左回りに巻きあげてゆきます。

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反対側からまわってきた荒縄を避けるために、
勇躍する姿には、思わず心が躍ってしまいます。

「火伏せ」というそうですが、
ここが、いちばんの見せ場じゃないでしょうか。 

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  伊吹颪を吹き飛ばせ
    燃える若衆の 心意気

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  五穀豊穣 願いをこめて
    熱い血潮が 春を呼ぶ

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左義長が燃えあがって原型をとどめなくなる寸前、
その年の恵方、今年は東北東へ引き倒されます。

倒れ方によって吉凶を占う意味があるそうで、
正確に恵方に倒れれば豊作。

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日暮れまえまで、
これが延々と繰り返されます。

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境内には、左義長がつづく間中、
年配の男性のアナウンスが入ります。

左義長の歴史や、行事の解説、
観光客へのインタビューなどがあって、
なかなかに聞きものでした。

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  「私も若い頃は、これが楽しみで・・・」

・・・といった述懐を交えたその男性の 実況は、
今尾左義長に対する愛情に溢れていて、
とても印象に残りました。

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もう、今尾左義長が好きで好きでたまらない、
といった感じが伝わってきて、胸を打たれてしまいました。
by dendoroubik | 2014-02-14 23:53 | ◆美濃の祭 | Trackback | Comments(0)
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