魚津 たてもん祭り

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「蜃気楼の見える町」・・・富山県魚津市。

毎年8月の第一金曜日、土曜日の夜、
魚津漁港まえの諏訪神社でおこなわれる「たてもん祭り」。

今回で2度目の訪問です。
台風接近で中止となった初回をあわせると3度目。

真夏の夜の不思議で、美しい行事です。




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魚津駅前のホテルで荷を解き、
漁港近くの店でビールとうどんで腹拵えをして、
諏訪神社まえに着いたのは、
ちょうど夕陽が能登半島へ落ちる頃。

「たてもん」が魚津浦にズラリと並び、
万灯が取りつけられているところでした。 

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陽が落ち切ると、灯がともります。

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現在、たてもんは全部で7基。

残りの1基が神社まえに曳き出されてきます。

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この不思議なかたちは、
漁船を模したものと言われます。

心柱に高さは16メートル。
横木を渡して、その上へ載せた三角形の枠に
90ケの提灯(万灯)が吊るされています。
天辺には、鉾留として六角行燈を据えられ、
そこから6本または8本の
ヤナギと呼ばれる割竹の枝を垂らしています。

何のために取りつけられているのかはわかりませんが、
おそらく、境内で「たてもん」を回転させるとき、
より迫力があるように見せるための装飾でしょうか。

小さなカラフルな電球がたくさん取りつけられています。

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三角形の額提灯の下には、
武者絵の絵額が取りつけられ、
その下で、主に子供たちが笛、太鼓のお囃子を奏でます。 

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あらかじめ行なわれていたくじ取りの結果に従って、
一基ずつ「たてもん」が宮入りしてきます。

担ぐのでもなく、車輪がついているのでもなく、
底はソリ台になっていて、
総重量5トン以上の「たてもん」を曳いていきます。

これは、以前、砂浜などを曳行した名残りなのだとか。

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「たてもん」の正確な起源は不明とされています。

当日、流れていたアナウンスによると、
享保年間(1720年頃)、各町内ごとにいくつかの提灯を
台上に吊るして町内を担ぎまわる現在の原型となるものがはじまり、
その後、次第に提灯の数が増加。
明治時代は25張、大正時代初めころは50張ほど、
現在の90張へとなったそうです。

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「たてもん」の語源は、「たてまつるもの」が転訛したもの、
という説明がアナウンスでありました。

「立てるもの」から来た「タテモン」と呼ばれる「つくりもの」が、
県内には他にも見られる(東岩瀬や氷見)ので、
もしかしたら、前者は、後に付会された説かもしれません。

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しかし、豊漁と航海、操業の安全を祈願して、
あたかも漁獲物を船に満載して神に奉るような姿を見ると、
やはり「たてまつるもの」・・・なのかな、という気もしてきます。

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だいたい、提灯をたくさん吊るした山車なのに、
神輿に随行するということなく、
これだけで曳行されます。
(神輿の渡御は昼間にあるそうです)

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宮入りをした「たてもん」は、
境内で激しく回転させられます。

心柱の天辺から八方に張り出した綱を持った若衆が、
「たてもん」の回転に合わせて宙を飛ぶさまも見ものです。

回転の、奉納物を神によく見てもらうためだと言われています。

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夜空に光の輪を描く提灯とカラフルなヤナギ。
それを背景に笛、太鼓を奏する子供たち。

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とても幻想的な光景です。

回転を終えた「たてもん」は、神前に進み、
代表者が幣帛を捧げた後、
境内を出て町内に帰ってゆきます。

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「たてもん」の姿を見て連想してしまうのは、秋田の竿灯まつり。

影響関係があるのかないのかはわかりませんが、
青森(ネプタ)、秋田、新潟(弥彦神社の灯篭神事)
富山ではこのたてもん祭りや、砺波地方の夜高あんどん、
そして能登のキリコ、奉灯祭・・・

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日本海沿岸に、巨大な行燈行事が連なっているのが不思議です。
by dendoroubik | 2013-08-11 07:00 | ◆越中の祭 呉東 | Trackback | Comments(2)
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Commented by りんごの里から at 2013-08-14 23:10 x
こんばんは。
地元にいながら見に行ったことがありません(--;)
>真夏の夜の不思議で、美しい行事です。< いながらにして、美しい写真と解説でしっかり見せてもらいました。ありがとうございました。
Commented by dendoroubik at 2013-08-15 20:46
☆りんごの里からさん

「いつかまた行きたい祭り」
がたくさんあるなかで
やっと再訪を果たすことができました^-^
「いつか行ってみたい祭り」
はそれ以上にあるのですが
すべてを見ることは とうていできそうもありません・・・

でも 日本のどこかで いまもつづけてくれている
・・・と考えると ちょっと心強く感じることもありますねwww