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総社神社 麦酒祭

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酒を醸して神前に捧げる行事(神事)は全国にありますが、滋賀県甲賀市水口町牛飼の総社神社では
毎年7月18日、珍しい「麦酒」を醸して献饌する、一風かわった「麦酒祭」がおこなわれます。

「麦酒」と書くとつい「ビール」と読んでしまいますが、こちらで「むぎざけ」と呼ばれます。
味はビールというよりも、昨年秋に白川郷の「どぶろく祭り」で飲んだどぶろくに近いように思いました。
ただ、この「麦酒」は一晩で醸造されるもので(白川郷のどぶろくは半年以上)アルコール酵母も入っていません。

しかし、ビールが輸入されたとき、「麦酒」という漢字が当てられたことを考えると
おそらく、麦でできた酒というのは、一般的ではなく、やはり珍しいものなのでしょうね。



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総社神社の祭神は大己貴命。

創立は明確でないそうですが、応永3年(1396年)に社殿が再建された記録があるそうです。
嘉吉元年(1441年)新たに本殿の修復がおこなわれ
その際、本殿の竣工祭とあわせておこなわれたのが、この「麦酒祭」だといわれます。

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前日の17日早朝、飯道山山腹より、清水を汲むところから祭典ははじまります。
裸麦と米麹を混入。煮沸した後、適温に冷ました清水を入れ、撹拌しながら一晩かけて発酵させていきます。

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なぜ、米や他の雑穀ではなく「麦」・・・なのでしょうか・・・?

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太鼓は醸造中に叩かれるそうです。 いい音を聞かせると、うまく発酵するのだとか。
3つの樽の中の麦酒は、それぞれに桶に付着した酵母や、撹拌の具合などによって発酵具合も異なり
微妙に味がちがうそうです。 真ん中の樽は、今年新調されたもの。

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宮司さんが、3つの樽の麦酒を検分(味見)し、神前に献饌する麦酒を決定します。
今年新調された、真ん中の樽の麦酒が選ばれました。 選ばれた麦酒は、別の空桶に移し、拝殿へ移動されます。

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祭典がはじまります。

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修祓の後に、本殿に献饌。

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撤饌後、参拝者に直会としてふるまわれます。

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その後、一般の参拝者にもふるまわれます。

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僕もいただきました^-^v

馥郁とした甘味のなかに、ほんのりとした酸味があって、とてもおいしいです。
「どぶろく」といえば(「麦酒」は
「どぶろく」とはいわないのかもしれませんが)清酒より一段劣ったもの、という先入観があるかもしれませんが
白川郷で呑んだどぶろくも、この麦酒も、醸したての新鮮なものは、ほんとうにおいしい。

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NHK・・・夕方のニュースで放送されてたそうですが、見逃しました^-^;

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570年、連綿と受け継がれてきた神事です・・・。

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by dendoroubik | 2013-07-19 03:00 | ◆近江の祭 湖南 | Trackback | Comments(0)