伏木曳山祭り その2 提灯山車

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6基の曳山は、昼間の「花山車」から一変、
その夜「提灯山」に姿を変えて総当り戦でぶつけ合う、
地元でいう「かっちゃ」がおこなわれます。




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午後4時過ぎ、
曳行を終えた6基の山車から装飾やご神体が取り外され、
提灯山車へ変わる準備がはじまります。
ご神体やからくり人形は、各山宿へ帰って行きます。

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提灯替えが終わると、唐子だけが持ち出されます。

かっちゃにも、からくり人形だけは取り付けられるのですね。

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ご神体は、こんな感じで運ばれていました・・・

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山倉では、着々と提灯替えがおこなわれています。

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提灯は、丸提灯が365個と、筒提灯が4個 の369個。

筒提灯は四季を、丸提灯は一年365日をあらわし、
四季365日の町内の安全と家々の招福除災を祈る思いが
込められているのだそうです。

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提灯替えが終わる頃、
徐々に陽が傾きはじめます・・・。

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いよいよかっちゃがはじまります。

通常は6時40分から、会場のひとつ法輪寺前の車道に、
6基の山車が曳行されてくるのですが、
この夜は雨予報のため、提灯にビニールシートが被せられ、
その作業のために20分ほど遅れての入場です。 

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  イヤサー イヤサ
      ア、イヤサー イヤサ

威勢のいい掛け声で入場してきます。

祭りの囃子言葉というのは、魔法のようです。
意味が分からなくても、繰り返し唱えられているうちに、
自然と高揚感が増してきます。
(語源が不明なものも多く、そのためか、
囃し言葉は古代イスラエルの言葉に起源をもつ、
・・・なんて珍説(?)もありますね。
その説によると、祇園祭の「エンヤラヤー」はヘブル語で
「他人はいざ知らず、我こそはエホバを賛美たてまつる」
・・・という意味なんだとか)

富山県西部の沿岸部でよく聞く「イヤサー」は
語源が明らで「ますます栄えあれ」を意味する
「弥栄(いやさか)から来ているそうです。

聞いていると

  「イヤサー、イヤサ、イヤサー、イヤサカエ」

・・・と囃している町もありました。

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6基が入場し終わると、
最初に対戦する2基が所定の位置に着きます。

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沿道には立錐の余地もないほどの観衆。
山鹿流陣太鼓の囃子が鳴り響き、
期待と昂奮のなか、最初のかっちゃがはじまります。 

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開始のホイッスルが鳴った!

山車に繋がれた縄を引いて、50mの疾走。

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ドォーンという大きな音と地響き。
ワサワサと提灯が大きく揺れる音。
半拍遅れて、観衆からどよめきと喝采がおこります。

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山車の先端には、付長手と呼ばれる巨大な樫の丸太が、
まるで戦車の砲門のように取り付けられていて、
この先端同士をぶつけ合うのです。
何度ぶつけ合ういう決まりはなく、勝敗があるわけでもなく、
お互いに納得して「総代」同士が握手を交わすまでつづけられます。

うまく「決まった」ときは、
総重量8tの山車の後輪が浮くような感じで、
その瞬間は、さすがに息を呑みます。

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「かっちゃ」がいつ頃、どうしておこなわれるようになったか
正確なことはわからないらしいのですが、
狭い町の通りで、我先にと通らんがために、
ほかの町の山車に突進していったことがはじまりともいわれます。
また、戦後のある時期には、昼間の花山車で、
ぶつけ合いがおこなわれていたそうです。
あまりにも危険、ということで、現在は夜に法輪寺前と本町広場の
2会場でのみおこなわれるようになったのだとか。

また、どこが発祥なのかわかりませんが、
なぜか富山の山車は、ぶつけ合うものが多いですね。

岩瀬の曳山や、氷見でもぶつけ合いを見ました。
また、曳山ではありませんが、
伏木から小矢部川を遡った津沢や、砺波の夜高まつりでも、
激しいぶつけ合いや、壊し合いがおこなわれます。

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夜更けまで、対戦相手を変えながら、
何度も何度もかっちゃが繰り返されます。

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「けんか山車」の異名から、
さぞかし酒に酔って暴れまくるのかと思いきやさにあらず、
酒を呑んだ者は、いっさい山車を曳くことはできないのだそうです。

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かっちゃ。


港町の男たちが熱く描き出す、一夜の美しい夢・・・。
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Commented by tora003 at 2013-05-22 22:29 x
いかーん!! 
夜の曳山祭の迫力が伝わってまいります!!
特に5枚目の提灯替えの場面、夜の戦いに備えて整列した戦闘車両を思わせる曳山群。
こんな写真を見せつけられると祭り好きの血が騒ぎます。
それにしても、祭りに酒は欠かせませんが禁酒とは厳しいですね。
Commented by dendoroubik at 2013-05-22 22:54
☆トラさん

昼の休憩時間にも スポーツドリンクなんかが配られていて
「あれ・・・?」と思いましたが
かつては死者も出たという「かっちゃ」ですから
禁酒は この伝統を守りたいという主催者の無事故への悲痛な願いの顕れなんでしょうね
でも 酒なしでもこれだけ陶酔できるのですからね^-^

「かっちゃ」は3度目なんですが 
ぶつかったあとに提灯がワサワサ・・・と揺れる あの音がシビれるんですよね!
今回 ビニールシートでその音が遮られて ちょっと残念でした・・・

「夜の戦いに備えて整列した戦闘車両」
思いつきませんでしたが たしかにその通りですね!
Commented by りんごの里から at 2013-05-25 00:46 x
こんばんは。
勇壮な素晴らしいお祭りですね(県民として見たことないのが恥ずかしい限りです)。美しい写真と解説に酔いしびれました。ありがとうございました。
Commented by dendoroubik at 2013-05-25 18:38
☆りんごの里からさん

思えば越中は 曳山祭りの宝庫ですね!
先日ご覧になった高岡や 城端 八尾
湾岸の伏木や新湊 海老江 岩瀬
大門に小矢部
曳山ではありませんが 砺波地方の夜高祭りや
魚津のたてもん祭りなど
また行きたいと思う祭りがゴマンとあります

全国的な知名度でいえば やはり「おわら」でしょうがそれに留まらず
獅子舞も含めて 秀逸な祭りがたいへん多い土地柄でもありますね
by dendoroubik | 2013-05-22 03:46 | ◆越中の祭 呉西 | Trackback(2) | Comments(4)