水海の田楽能舞 その7 羅生門

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水海の田楽能舞。 最後に奉納されるのは「羅生門」。



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丹波の大江山の鬼を退治して帰洛していた源頼光。
ある春雨の降りつづく夜、
豪傑揃いの家来たちを館に招き、酒宴を催します。

 「近頃、都に珍しい話はないか」

・・・頼光の問いに、平井保昌は
九条の羅生門に出没するという鬼の話をはじめます。

すると渡部綱が、

 「倭が大君のしろ示す国の
   どこに鬼の住家があるものか!」

と反論。 保昌と言い争いになります。

それなら行ってみるまで
・・・と綱は皆の制止を振り切って羅生門に向かいます。

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激しい雨のなか、綱が羅生門に近づくと、
乗っていた馬も怯え立ちすくんでしまいます。

馬から降りて羅生門の石段に、
たしかにここに来たという証拠の札を立てて帰ろうとした、その時・・・

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何者かがうしろから綱の兜をつかみます。

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鬼神でした。

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綱は兜の緒を引きちぎり、太刀を振りかざします。

格闘のすえ、腕を斬り落とすと、鬼神は空遠く逃げ去ります。

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意気揚々と舞う綱。

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これですべての田楽能舞の奉納が終了しました。


このあと、午後6時に神面、能面、諸道具、装束が
神殿に治められる「面納め」がおこなわれ、
水海の田楽能舞は幕を閉じます。

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池田には、かつて能舞を奉納する集落が5つあったそうです。
水海の鵜甘神社にのみこれが継承されているのは、
ほかの4つの集落にくらべて戸数が多く、
経済的にも豊かであったことによる・・・と指摘する人もいます。

この行事は、現在は重要無形民俗文化財に指定され、
毎年、多くの見学者が訪れるとはいえ、
数百年ものあいだ、雪深いこの山間の村で
ひと知れず執りおこなわれていたものです。

それを支えてきた信仰心の深さを想像すると、
その能舞の完成度の高さともども、
畏敬の念を抱かずにはいられません・・・
by dendoroubik | 2013-02-24 12:00 | ◆越前の祭 | Trackback | Comments(0)
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