2012年 12月 12日
湖国百景しりとり紀行 その2
音だけ読んでも何のことだかわからないと思いますが、
「竜法師の花奪い」
・・・と漢字を入れてもなお分からないかもしれません(笑)
「竜法師」は、鈴鹿の麓、甲賀市江南にある地名。
聖徳太子がここに住む流を仏弟子にした
・・・という伝説が地名の由来、
と説明されるのが一般的です。
「花奪い」は、伊賀地方北部から甲賀へかけての地域
(水口、土山、甲賀、甲南)にみられる行事。
色鮮やかな造花を神社に奉納するやいなや、
寄ってたかってこれをを奪い合う
・・・というけっこうタフなものです。
「なにをそんなにムキになって奪い合うのか」
と、はじめて見たときは思ったものですが、
これは欲の皮が張っているわけではなく、
激しく奪い合うこと自体に
疫病退散の意味がこめられているそうです。
つまり、夏に蔓延する疫病を花に依りつかせ、
これを破壊することで封じ込める、
という行為なのだそうです。
竜法師は甲賀忍者発祥の地でもあり、
ホンモノの忍者屋敷もあります。
12.いしどうじ
全国的な知名度は、決して高くはないでしょうが、
(むしろ、低い方・・・でしょうか)
石塔寺は、滋賀のなかでも一
見の価値のあるもののひとつだと思います。
湖東の他の天台寺院と同様、信長の焼き討ちにより
七堂伽藍、寺宝はことごとく灰燼に帰しますが、
圧巻は境内に残る数万基の石塔群と、
その中心にひときわ高くそびえる三重石塔。
7世紀に朝鮮半島から湖東に渡来した
百済系の人々がつくったといわれるこの石塔は、
中世以前の日本のどの石塔とも様式がちがっていて、
見る者に強烈なインパクトを与えます。
古代朝鮮の王室の装束をした背の高い五十男が、
凝然と異国の丘に立っているよう
司馬遼太郎はこの石塔をそう表現しています。
13.しなさんごう
草津市志那町にある3つに神社、
三大神社、志那神社、惣社神社には、
いずれも藤の老木があり、
併せて「志那三郷の藤」と呼ばれます。
なかでも樹齢400年といわれる三大神社の藤は、
花穂が長く伸びることから、
「砂擦りの藤」
と呼ばれ、見モノです。
14.うばがもち
画像がなかったので 「うばがもちや」さんのHPから拝借しました。
「うばがもち」は近江を代表する名物。
名前の由来になったのはこんな物語・・・
戦国時代、信長に滅ぼされた近江源氏、佐々木義賢。
幼い曾孫を託す人さえおらず、
乳母の「との」に預けます。
彼女は郷里の草津へ隠れ住み、
餅ををつくっては売って養育の資としていました。
草津宿は、東海道と中山道が交わる、近江最大の宿場町。
旧主に対する忠誠と誠実な生き方に感心した宿場町の人々は、
いつしか彼女のつくる餅を
「姥が餅」
と呼ぶようになった・・・と。
この噂は広く知られていたようで、
のちに大坂の役に赴く途中、家康もこれを賞味し、
彼女の長寿を寿ぎ、
流竹葉金と『養老亭』の親筆三字額を授けたといわれます。
家康は凱旋後もふたたび草津に立ち寄ったことから、
諸大名も必ず「姥が餅」を求めるようになったといいます。
15.ちくぶじま
瑠璃の花園 珊瑚の宮
古い伝えの 竹生島
仏の御手に 抱かれて
眠れ乙女子 やすらけく
ご存知>『琵琶湖周航の歌』4番の歌詞。
古代から「神の島」と崇められてきましたが、
たしかに、黄昏どきに湖北から竹生島をながめると、
僕のような信仰心ゼロの人間でさえ、
どこか宗教的な感興をおぼえずにはいられません・・・。
16.マキノピッグランド
高島市のマキノは、北海道のニセコと同じく珍しいカタカナ地名。
マキノピックランドは、旬の果物狩りを楽しめる農業公園です。
果樹園を一直線に抜けるメタセコイア並木は壮観。
17.とりにんげんコンテスト
日本テレビ系列で全国ネットの
特別番組として放送される「鳥人間コンテスト」
1回目は滋賀県近江八幡市の宮ヶ浜水泳場、
2回目以降は彦根市の松原水泳場でおこなわれています。
冬には漬物用の赤かぶを天日干しする
珍しい光景が見られます。
18.とよさとしょうがっこう
滋賀県がTVのワイドショーで取りあげられるのは、
ロクな話題じゃないことが多いです。
1999年、豊郷小学校(旧)校舎の解体計画をめぐっての、
町長と住民による解体か保存かの騒動も、
全国ネットでずいぶん取りあげられていました。
現在は旧校舎横に新校舎が建てられ、
旧校舎は補強のうえ、図書館や
町民ホールとして活用されています。
旧校舎は、W・M・ヴォーリズ設計で、
この小学校出身の伊藤忠商事専務、
古川鉄治郎が寄贈したもの。
いわば豊郷町のシンボル・・・というか誇りです。
2、3年まえからアニメ版の『けいおん!』で、
主人公の通う高校のモデルになっていることが話題になり、
「聖地巡礼」と称してファンが訪れるようになります。
町も「;">『けいおん!』で町おこし」・・・とノリノリ(笑)
あ~。 解体されなくて、よかった!
19.うかわしじゅうはったいぶつ
今回2回目の登場、佐々木六角義賢。
彼が亡き母の菩提を弔うため、
びわ湖対岸の高島鵜川に建立したのが
四十八体の石造阿弥陀如来坐像群。
びわ湖を舞台にしたドラマや
映画に頻繁に登場する仏さんです。
四十八体仏のうち十三体が、
江戸時代のはじめに天海僧正によって、
なぜか坂本の慈眼堂へ移され、
いまも離れ離れのまま・・・。
20.つきのなみだ
現在はそう呼ばれることはまずありませんが、
「月の涙」というのはびわ湖淡水真珠の愛称です。
「えーっ。びわ湖で真珠が獲れるの?」
と思われる方もいらっしゃるでしょうが、
主に内湖で現在も養殖されています。
真珠王、御木本幸吉もびわ湖に目をつけていたらしく、
草津市の山田の沖合で獲ったダブ貝の中から天然真珠を発見。
大正時代にはゴールドラッシュさながら、
一攫千金を夢見る人々がびわ湖に殺到したこともあったのだとか。
びわ湖での真珠養殖は困難を極め、
藤田昌世が淡水真珠の養殖に成功するのは、大正14年。
ただ、それは商品価値のあるような代物ではなく、
彼が不屈の精神で本格的な真珠をつくりだすことができたのは、
ようやく 昭和9年のことでした・・・。
本でもないけど~「そうだったんだ!」っていう情報をもらえるし(笑)
本当に滋賀の本でも出版できそうですね^^
マイブログのタイトル「古都大津から」なのに・・・発信しておりません^^;
いつか 時間が出来るようになったらdenさんみたいに
あちこちレポートしてみたいなぁ。
月の涙っていうネーミングは素敵ですね。
「と」で始まる言葉がどうしても出てこず
「あっ!鳥人間コンテストや!」
と 閃いたものの よく考えたら またしても「と」
(>_<)
…と いったぐあいに
思ったよりたいへんでしたが
ブレイクスルーした瞬間は
ちょっと快感だったり(^-^
京都と対照的に 滋賀はマイナーゆえに発見も多いですねw
マイナーさを逆手にとった観光誘導があってもいいな
…と思ったりもします(^O^)