長浜曳山まつり 登り山

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14日は、朝から各山組での歌舞伎公演が2度あり、
午後から「登り山」がはじまります。 

子供役者を乗せたまま曳山が、くじ順と反対に、
四番山から八幡宮へ向かいます。 

翌晩、お旅所から各町組へと戻る「戻り山」と対をなします・・・

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招き扇がひらひらと舞い、祭の高揚感にあふれた行事です。





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長浜曳山まつりの歴史は、
秀吉の在城よりはじまるといわれます。

長浜城主時代、待望の男子誕生の祝いとして
秀吉から砂金を与えられた町衆は、
これを基に曳山をつくり、
彼が再興した長浜八幡宮の祭礼で曳きまわした・・・と。 

そいうった直接的な起源とは別に、
秀吉がこの地を自由都市商業地として構想したことが、
のちの長浜の経済発展を促し、
この祭をいっそう華やかなものとしたのも事実です。 

秀吉はこの祭の、二重の意味での
生みの親といえるかもしれません。 

じっさい、長浜の人々の太閤さんへの崇敬の念は、
滋賀県内の他の地域にはない特異なものがあります。

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秀吉在城時代から商業都市として栄えた長浜は、
江戸時代には彦根藩領となりますが、
井伊氏も秀吉以来の長浜町屋敷年貢米三百石の免除地を継承し、
また彦根城下とともに町奉行管轄の「町方」として扱われるなど、
自由都市としての面目を保ちます。 

長浜は 「武士や豪商が支配した町ではなく
、町衆の合議のなかで運営された自由都市」
「日本の大衆文化都市の原型」などいわれます。 

そいうった町衆の気概が、この祭を支えてきたのだと思います。

長浜と彦根とは、湾曲したびわ湖越しに
お互いが見えるほどの距離ですが、
気質も話言葉もあきらかにちがいます。

大きな城下町にはこんな祭はなく、
戦後、おそらくおなじ城下町だった金沢の
「百万石まつり」などをモデルにしてスタートしたと思しき
彦根の「お城まつり」に「小江戸彦根の」
というキャプションがついているのは、
ふたつの町のちがいを象徴的に表しているようにも思えます。

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子供歌舞伎がいつはじまったかは詳らかではないそうですが、
江戸中期、この町の経済が隆盛を極めていたころに
誕生したものだろうといわれます。 

もともとこの地帯一帯には、舞車の舞台があり
、そのうえで稚児が芸能を演じて曳く
・・・という祭礼が中世よりあったそうで、
これが元禄以降の歌舞伎の流行を受けて変化していった
、と考えられるそうです。 

近江の六つの専業的な猿楽のうち、
山科座と下坂座が近くにあった影響もあるのかもしれません。

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子供歌舞伎同様、曳山の美術にも、
往時の経済力を背景とした周辺文化の結実が見られます・・・

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曳山は「下山」と呼ばれる台車部分 
子供歌舞伎が演じられる四畳半ほどの「舞台」 
そのうしろに太夫と三味線が控える「楽屋」  
二階部分の「亭」(ちん)から成っています。

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長浜の曳山が統一した形式をもっているのは、
名工といわれた藤岡和泉(重兵衛)や
甚兵衛らの代々伝承された技巧によるものといわれます。

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「翁山」の見送り幕は、16世紀ベルギー製のタペストリー。 

重要文化財のものと市指定文化財のもの
とがあるそうですが、これは後者ですね。 

加賀の豪商、銭屋五兵衛から購ったものといわれます。

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「鳳凰山」の見送り幕も16世紀ベルギー製のタペストリー(重要文化財)。
 
ホメロスの 『イーリアス』 を基につくられた
5枚連作の2枚目(『出陣するヘクトールと妻子の別れの図』)。 

これは分断されており、片割れは祇園祭の鶏鉾、
露天神山が所蔵しています。 
2枚目は加賀藩・前田家が所蔵、
3枚目は祇園祭の鯉山、4枚目は増上寺(のちに焼失)、
5枚目の一部は大津祭月宮殿(『トロイアの陥落図』)が所蔵しています。

5枚の連作がベルギーから日本へ渡来し、
京、近江、加賀、江戸へと分かれていったというのも、
なんだかロマンを感じますが、
うち2枚が近江にある・・・というのも、不思議なめぐり合わせですね。

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「高砂山」の見送り幕は、
綴織の「唐子遊戯の図」(前面刺繍の「九仙人の図」というのもあるそうです)

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「猩々丸」の背面には、見送り幕ではなく、
彫刻が据えられています。 

三国志の関羽と張飛ですね。 

組内では左甚五郎の作で、
彩色が石田幽汀と伝えられるそうです。

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装飾に国友鉄砲にかかわった
金工師たちや膳所の目貰師一派のかざり金具
などが用いられ目を楽しませてくれます。

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そんな言葉が長浜曳山まつりにあるのかは知りませんが、
祇園祭でいう「屏風祭」のようなものでしょうか。 

ガラス戸の外から見とれていると、
家人が戸を開いてくださいました。 
秀吉の町だったことを彷彿とさせる絢爛さ・・・

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出発まえの記念写真・・・            

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招き扇がひらひらと舞い、
華やかな祭の高揚感をいっそう盛り立てます・・・

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桜も満開・・・小っちゃな名優もご満悦^-^v

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女の子たちが唯一 
この祭に参加できるのはシャギリ(囃子)。 
懸命に巡行を盛りあげます。

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同級生らしきシャギリの女の子たちに 

「ヘン顔して~!」「ドヤ顔して~!」

とせがまれて(笑)

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つぎつぎに曳山が八幡宮境内へ到着し、
所定の場所へ据えられていきます・・・

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曳山が境内へ入るときは、
それまで電線にかかるためかはずされていた飾りも正装されます。 

招き扇がひらひら揺れ、
シャギリはひと足先に到着したまえの組も加わり、
とてもにぎやかな雰囲気に包まれます。

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ここで子供役者たちは
曳山から降りていき 「夕渡り」に備えます。

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まるでホントの夫婦のような小学生の少年2人。

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そしてホンモノの役者顔負けのこの笑顔^-^

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「ヘン顔して~!」         

「イヤ~!」 

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「ドヤ顔して~!」         

「・・・」 

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提灯に灯りがともされました。 

まもなく夕渡りがはじまります・・・
by dendoroubik | 2012-04-18 19:00 | ◇長浜曳山まつり | Trackback | Comments(4)
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Commented by polepole-yururin at 2012-04-22 21:25
曳山まつりですね!!もうその季節ですか!
離れていると忘れてしまいます。
やっぱり滋賀はいいですね。
天気もよかったんですね。
Commented by dendoroubik at 2012-04-23 13:46
☆ゆるりんさん

午前中は雨だったんですが 登り山がはじまるまえくらいから晴れあがってきました
大津は土砂降りだったんですけどね^-^
なぜか 長浜だけ ほとんど雨がありませんでした・・・

春が待ち遠しいと思っていたのは つい最近のことなのに
気がつけばもう夏を感じる季節になってますね
長浜の曳山も終わって 滋賀は祭りシーズンのピークへ突入です^-^

Commented by kei at 2012-04-25 18:02 x
こんにちは^^すてきなお祭りですね^^
子供の役者さん達もたくさんいて、地元の子たちはさぞかし盛り上がるでしょう
ヘン顔やはりしますか(笑)
Commented by dendoroubik at 2012-04-25 20:34
☆keiさん

お久しぶりです!

長浜曳山まつりをご覧になったことがないなら ぜひ見物されることをおすすめします
京都からだと新快速1本ですし 駅周辺でおこなわれますので便利
曳山だけでも見ごたえ十分ですが 子供歌舞伎は本格的なもので 楽しめますv