千本釈迦堂 おかめ節分会

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北野天満宮の節分祭が終わったのが、午後2時。 
見物していたとき隣合わせて親しくなったおじいちゃんカメラマンと
いっしょに千本釈迦堂まで移動し、3時からの「おかめ節分会」を見物。

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千本釈迦堂こと真言宗智山派、大報恩寺の創建は鎌倉時代(1227年)。 

応仁、文明の乱などの度重なる戦火にも奇跡的にまみえず、
洛中ではもっと古い仏堂建築物といわれる本堂(釈迦堂)は国宝指定

・・・とそんなことよりも「おかめさんの物語」で有名ですね。  



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昭和54年春、有志により造立されたという、おかめさん像。 

あんまりデフォルメされておらず、
どこにでもいそうなおかめ顔が ちょっと生々しい(笑)

節分のこの日だけは金襴緞子の打ちかけに番傘でおめかしです。


おかめさんの物語というのは・・・

釈迦堂建立の際、大工の棟梁高次は、
大事な柱の寸法をまちがえて短く切ってしまい
悩んでいると、妻のおかめ(阿亀)が枡組を使うようにアドバイス。
 
高次はその助言を容れて
無事に大任を果たすことができたのですが、
女の助言で仕事を完成させたことが世間に知れたら 
棟梁としてのメンツが立たない・・・とでも思ったのでしょうか、
おかめさんは自害してしまいます。 

高次は釈迦堂の上棟の日、亡き妻の福福しい顔をお面に彫り込み、
三本の扇子とともに棟札のうえに掲げて、
おかめさんの冥福とお堂の無事を祈った・・・と、こんな話でしたね。

それにしても、おかめさん、何も死ぬことはなかったのに
・・・と思ってしまうのは現代人の感覚でしょうか。 

夫婦で黙ってさえいれば、
誰にも秘密が洩れることもなかったでしょうに・・・。
自分のアドバイスが仕事を完成させたことを
世間に知られないために自害したのだとしたら、逆効果。 
だって、世間どころか、
思いっきり後世にまで語り継がれちゃってます(笑)

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最近はあまりみかけませんが、
京都では上棟式にはお多福の面を着けた御幣が飾られます。
 
これは、千本釈迦堂のおかめさんの物語にあやかっているといわれますが、
古来、福福しい女性は災厄除けになると尊ばれてきましたので、
あるいは、逆にそこから賢婦おかめさんの物語がつくられたのかもしれません。

おかめさんの物語から、千本釈迦堂は大工さんの信仰篤く、
節分会でも建設関係者 (番匠保存会) による「木遣節」が奉納されていました。

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紅白のおかめ装束をした男女の練り歩き、
おかめ像前での法要、本堂での節分厄除祈願法要  
(これも爆笑だったのですが、失礼にあたるので書きません^-^;)

木遣節奉納のあと、茂山社中による古代鬼追いの儀がはじまります。

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どんな狂言がはじまるのかとワクワクしていると・・・
これがなんと、とくに筋立てがなく・・・
鬼が大暴れして本堂の下まで降りてきたり、
それを追い払おうとする人々が笑いながら
豆を投げつけたりの乱痴気騒ぎ!

いやあ、おもしろい!

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いくら豆を投げつけても鬼たちはいっこうに退散する気配もなく・・・

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・・・と、そこへおかめさん登場!

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どんなふうに鬼を退散させるのかと固唾をのんでいると・・・  

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なんとおかめさん、
鬼をナデナデしてやさしく諭しはじめます。 
どんな強硬手段にも動じなかった鬼たりは、
おかめさんの慈愛に満ちた諭告に骨抜きにされてしまいます(笑)

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スゴスゴと退散。

なんて平和的解決! 
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しかし、そのあとおこなわれた年男、
政財界の方々による「招福豆まき」争奪戦は
ちょっとした阿鼻叫喚・・・決して「平和的」ではありませんでした(苦笑)
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Commented by nochi423 at 2012-02-05 19:30
豆まきは参加もできたのでしょうか?
力いっぱい投げつけるのはスカッとしそうですね^^(ストレス??)

それにしても棟梁を立てる為にしたオカメの自害・・・
かろうじて現代人の私には考えられない行動!
昔の女性は奥ゆかし過ぎたのでしょうか。。
Commented by goodroads at 2012-02-05 19:34
春に行った折には・・・見事な「おかめ桜」とナゼか怖い「おかめさん像」がある静かなところでしたが・・・

なかなか見事な節分会があるんですねー
Tomは廬山寺のものを見たことがありますが、なんとも控え目な気がしましたが、コチラはなかなかアグレッシブですねぇ

オカメさんが登場するところが、やはりいいですねー
演じられる鬼よりも、豆を取ろうと鬼になっている見物客の方が怖いというのも・・・なかなか・・・笑

「祭」は、いいものですね~日本人のアイデンティティを感じます
^^ 凸!
Commented by polepole-yururin at 2012-02-05 21:17
京都はさすがに風情ある節分の行事やっていますね♪
いいな~♪
ほんとこちらに来て、6年ですが、西を思うことはたびたびです。
そんな時は、平城京時代に、都から地方に飛ばされた者の気持ちになったりしています。退屈きわまりなかったんだろうな~って。やはり京都、奈良、滋賀・・・古(いにしえ)の営みが詰まった土地はいいですね。
Commented by dendoroubik at 2012-02-05 23:12
☆ノチさん

鬼に豆を投げつけるのは社中の方々だけなんですが
突然はじまって しかも国宝建築のなかを所狭しと暴れまくるので
まるで自分が参加しているようなカタルシスがありますよ^-^

これは僕の勝手な妄想ですが おかめさんというのは もし実在したのだとしても
こんな風に自害したのではないと思います
隠すために死んだことが 隠されもせずに語り告がれるというのは矛盾してますからね^-^
でも どうせ真実がわからないなら そんなバカな・・・というより
信じてみる方がおもしろい・・・とは思います^-^v
Commented by dendoroubik at 2012-02-05 23:25
☆Tomさん

春にUPされてたおかめさんの像の写真・・・鮮明におぼえています^-^
金の打ちかけ姿を見たとき とっさに
「これはTomさんに見ていただけねば!」
と思いましたので・・・今 ひそかな満足感に浸されています^-^

北野天満宮の豆まきの際 神社の方の
「われわれは 東日本大震災で 人と人の絆の大切さを知りました
豆を手にされた方は 2ケ目の豆は どうそまだ手にされていない方にお譲りください」
というスピーチに笑いながら うんうんと頷いていた人々が 天神さんでも釈迦堂でもわれ先に奪い合う姿
ちょっと・・・笑えなかったです・・・
Commented by dendoroubik at 2012-02-05 23:46
☆ゆるりんさん

大伴家持は 奈良から越中へ赴任したとき 都の橘がないことにしょげかえっていますね
でも 赴任中盤以降は 越中の風土のすばらしさを褒め称える歌ばかり・・・
日本の古典文学は 京の風土に根ざしたものがほとんど・・・ですが
万葉のなかでも家持の越中賛歌がいちばん好きです
彼が詠んだ自然が いまでもまだそこに残っていることを富山に住んでみて気づいたからです
富と権力が集中する(した)ところが華やかなのはたしかですが
自然や風土はベツモノですね
だから 自分の住んでるところを (家持みたいにうまくいくはずはないですが) 詠ってみよう
・・・と思ってこのブログをはじめましたw
褒めるより からかうことの方が多いのですが^-^;
by dendoroubik | 2012-02-05 12:00 | ◆京の祭 | Trackback | Comments(6)