2011年 10月 30日
大津絵の筆のはじめは何仏?
京阪浜大津駅から大津市役所まえ、
皇子が丘公園一帯に『大津絵の道』と呼ばれる遊歩道があります。
壁や敷石に嵌め込まれたものがありますが、
市役所まえの説明入りの「大津絵」を並べてみます。
「大津絵」は江戸時代初期から、
大津宿で東海道の旅人相手にみやげ物として売られていた名物。
代表的な十題・・・
「寿老人(外法と大黒の梯子剃り)」「雷公の太鼓釣り」
「鷹匠」 「藤娘」 「座頭 」 「鬼の寒念仏」
「瓢箪鯰」 「槍持奴」 「釣鐘弁慶」 「矢の根」
たとえば「藤娘」は「愛嬌加わり良縁を得る」
・・・というふうに 護符としての効能も唱えらていました。
その他にも百種以上の画題があるといわれ、
ユーモラスなタッチで描かれているものが多く、
まるで滋賀県の「ゆるキャラ」や
「飛び出し坊や」のルーツのようでもあります(笑)
大津絵の筆のはじめは何仏
・・・と芭蕉が詠んだように、
逢坂関の西、近江国追分で
寛永年間に描かれ出した当初、大津絵は仏画でした。
「三日口を閉ぢて、題ス 正月四日ニ」
・・・と前詞があるのは、正月3ケ日には、
大津絵の絵師も「仏」の絵は描けなかったということで、
4日に「さて、どの仏様から描きはじめるのかな」という句。
最初は信仰のために描かれていた「大津絵」は、
やがてみやげ物として世俗画になり、
幕末頃には教訓的な道歌を加えるようになります。
『藤娘』
四百年、齢を経ぬままの藤娘、
大津絵美人画の一代表であり今日迄人気の衰えない。
昔から良縁の符として有名である。
「ルパンⅢ世」のヒロイン、峰不二子は、
『藤娘』からネーミングされているのは有名な話ですね。
(ウソです)
『鬼と柊』
魔除けに年越しの時用いる柊の葉を
くわえた鼠が鬼を追いかけている図。
怖い鬼にも弱点がある。 鬼は外にも通ずる図。
『瓢箪鯰』
「憎らしい人の心も鯰かな」
瓢箪でぬらりくらりと鯰を押さえられないように、
人の心のつかみどころがない様を風刺した図
『長刀弁慶』
三井寺 比叡山にもなじみのある弁慶。
この図は、衣川(岩手)での弁慶が
七つ道具を持った立ち往生の姿である。
『猫と鼠の酒盛り』
鼠が差し出す肴の唐辛子、猫の肴は当然鼠で、
「聖人の教えを聞かず終に身を滅ぼす人のしわざなりけり」とある。
『大黒』
俵の上の大黒、添えてある傘は
上を見ずに働く事を示唆しその為の蓑も描いてある。
福は自分で稼ぐことと知足を教える。
『鍾馗』
中国の道教から由来するもので、
端午の節句では幟にも描かれ男児の守護神とされる。
「ふり出すと一番先に鍾馗逃げ」
『雷と奴』
「かみなりにうたるるつみはのがれるともわがなすつみはのがれはやする」
江戸期盛んだった心学の教訓絵の一つである。
『為朝』
庶民に人気のあった武者絵で、
最後に朝敵として大島で平家の軍を強弓で苦しめた
剛弓を背にした、鎮西八郎為朝図である。
『大黒と外法の角力』
「福と寿の角力を見れば大方は福が寿命をひきこかすなり」
と歌にある。
人の福への貪欲さを戒めたものである。
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