2011年 02月 25日
日野ひなまつり紀行2011 ④ 「ふるさとのおもちゃ館」
トイレにいるという それはそれはキレイな女神さま・・・
金沢の商家では、新築時に
便器の下に夫婦一対の泥人形を埋めたり、
たんにトイレに飾ったりする風習があったそうです
(今もあるのかな・・・?)
「厠の神さん」
誰もいない吹雪のなか日野の町並みをぶらついていたとき、
向かいから歩いてきたおばあちゃんが
「ここもキレイの飾ってはるえ」
と展示場のひとつ山口嘉七邸の引き戸を開けてくれようと・・・
「あれ? 誰も来いひん思て カギかけたんかいな・・・」
こんな吹雪のなか、誰も来ないと思われたんでしょうか・・・
戸は施錠されて開きません。
「あこ行ったら、開けてくれはるわ」
三軒先の民家を指さします。
「あ。すみません。行ってみます」
観光地図には「ふるさとのおもちゃ館」とありますが、
その家はどう見ても門柱に表札がかかったふつうの民家です。
看板が掲げられているわけでもなく
「お気軽にお呼びください」と貼り紙がしているわけでもなく、
呼び鈴を押すがためらわれます。
が、せっかくここまで来たので、
思い切ってインターホンを押しました。
見学したいのですが・・・と申し出ると、
ご主人が出てこられ、吹雪のなか、
わざわざ山口嘉七邸を開けて展示物の説明をしてくださいます。
興味深く聞き入っていると、
今度は自宅の「ふるさとのおもちゃ館」を案内くださいました。
ご主人・・・正野さんは教職を辞されたあと
「近江日野商人館」の館長を歴任された方・・・
いただいた名詞には「郷土史家」とあります。
長年かけて全国から蒐めた郷土玩具を
「ふるさとのおもちゃ館」として公開されています。
ひとつひとつ説明くださるんですが、
人形に対する愛情に溢れていて、
とても心地よい気分になってしまいます。
これは饅頭小僧(メモをとっていたわけではないので、
違う名まえだったかもしれません・・・)
「お父ちゃんとお母ちゃんと、どっちが好きや?」
と聞かれて、饅頭をふたつに割り
「どっちがおいしい?」
と聞き返した、というアレですね。
これも珍しい「ぴんぴん鯛」と「ぴんぴん馬」
滋賀・・・草津、守山、近江八幡あたりに
昔あった郷土玩具で、
女の子が生まれると鯛、
男の子には馬を贈る風習があったそうです。
四角の箱に糸が仕掛けられていて、
車のように引くと「ピンピン」と音が鳴るのが
名まえの由来だそうすが・・・
子供がピンピン育ってくれるように
・・・との思いが込められているのでしょうか。
現在はこの風習は廃れ、
この2つもご子息が京都でやっと見つけて
購入された・・・とお伺いしました。
天神さんや・・・
二宮金次郎・・・
滋賀コーナー・・・
蒐集だけでなく、
ご自身も土人形や土鈴などを製作されています。
工房も案内いただきました。
着色まえの饅頭小僧。
戦時中の衣服を再現し、
現在も小学生たちに戦争の体験などをお話になられているそうです。
さすが、教育者ですね。
長崎の古賀人形。
ホンモノは展示のなかにありましたが、
それを手に入れるまえ、写真を見ながらつくられたものだそうです。
1時間ほどお話を伺いましたが、
いや~とても楽しかったですね。
おすまし顔のお雛様もいいけど、こういった愛嬌ある手作り感あふれるお人形もいいですね。
二枚目の写真いいですね。
ご主人も「人形をみていると 毎日楽しくて仕方ない」とおっしゃってました
毎朝「おはよう」と挨拶されるんだとか・・・
そんな愛情が移って人形たちも いい顔をしてるんでしょうかw
帰りに 「なにかひとつ趣味を持ちなさい」 とアドバイスをもらいました
まるで あちこち興味が移ってふらふらしている自分を見透かされているかのように^^;