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大津 芭蕉会館

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昨日、会社の帰り、急にラーメンが食べたくなり、膳所駅で降りて駅近くの来々亭へ行きました。
食べ終わって、駅へ帰ろうと店を出たとき、来々亭のすぐ傍に「竜ケ丘俳人墓地」があるのに気づきました。
大津に住んでいながら・・・このへんにあることは、なんとなく知っていながら・・・
迂闊にも訪れたことがありませんでした。

三日月に照らされた・・・というよりも、来々亭の黄色い看板の灯りに照らされた墓地をお参りしました。

「大津市歴史博物館」のサイトからの引用です。


松尾芭蕉は、死後遺言により義仲寺に葬られたが、
蕉門十哲の一人内藤丈草は義仲寺境内の竜ケ岡に仏幻庵を営み、芭蕉を供養するために法華経塚を建てた。
丈草は死後仏幻庵の故地に葬られ
続いて可風・文素・蝶夢ら一七基の墓が建てられ、俳人墓地と呼ばれるようになった。
義仲寺境内の山林であった俳人墓地も、現在は国道1号線や付近の開発によって様相を一変している。

JRと国道に挟まれた、ほんのわずかなスペース・・・「様相を一変している」どころじゃありません。

これでは、気づかないのも仕方ありません。



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・・・といいながら、俳人墓地の話じゃありません。(それはまた、別な機会に)
JRでいうと、膳所駅と石山駅の間、琵琶湖とは反対方向に、茶臼山という低い丘があります。
その麓に、その名も「芭蕉会館」という建物があります。

建物のすぐ脇に「大津絵の筆のはじめは何仏」という芭蕉の有名な句の碑と・・・
その傍らに、この句の挿絵によく用いられる鬼の「大津絵」から飛び出て来たような立像が、ドーンと建っています。
芭蕉が訪れた大津では「大津絵」はまだ、おみやげものとして「仏画」が主流だったといいます。

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大津絵(大津歴史博物館)

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会館を挟んだ公園には「酒落堂記」の記碑があります。

けっこう社交辞令的な文章ですが、瀬田方面から見た琵琶湖の描写があって、好きな文章のひとつです。結びに

 四方より花吹き入れてにおの波

の句が置かれています。

長らくこの句もピンと来なかったんですが、瀬田のあたり・・・
特に高台から琵琶湖を眺めていると、そのケレン味みたいなものにシンクロできるようになります。
まるで、自分がつくった句みたいに思えてきたり(笑)

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丘を登っていくと「茶臼山古墳」があるんですが、それもまた、別の機会に。

BGM Ravel/Pierre Boulez:Le Tombeau de Couperin
Commented by yume at 2009-08-26 21:15 x
まず、一枚目の写真がとても「大津」とは思えない。。 しかも 膳所駅と石山駅の間くらい。。どこかの山間部の写真のようです。。
そして、大津に住みながらまったく、こういうものがあることを知りませんでした。

やっぱり 大津はもっといろんなものアピールしないといけませんね。
大津に生まれ育った私ですら知らないんですもの。。



Commented by dendoroubik at 2009-08-27 02:57
☆yumeさん

この建物は、膳所城の角櫓を昭和39年、移築したものらしいです。膳所城は、明治に入って早々に取り壊されましたから、どこかに残されていたんですね。ただ、原型をとどめないくらい大幅に改造されているらしいです。
鯱瓦は膳所城創建当時のものとのことです。

茶臼山一帯は「琵琶湖国定公園特別地域」に指定されていますが、指定されているだけで、あんまり訪れる人もいませんね。国道1号線からすぐなんですが、車でも入りにくいこともあるんでしょうか。
静かで、琵琶湖も見下ろせて、いいとこです。
by dendoroubik | 2009-08-26 19:45 | 滋賀 大津 | Trackback | Comments(2)