2009年 05月 01日
伊香郡 菅浦
琵琶湖の北側に、つづら尾崎という、半島が突き出ています。
菅浦はその半島のやや西側を向いた入り江にあります。滋賀県のどこから行ってもいちばん遠いような(もちろん、そんなことはないのですが)場所です。
竹生島はその半島の先っぽ、すぐ沖に浮かんでいます。(でも、菅浦からは見えません)
栄枯盛衰・・・じゃないですが、日本人って、昔栄えて今は寂れた場所に異常なロマンを感じます。(僕もそうです)
その「昔」が遠い昔であればあるほど、更に強く・・・。
そういった意味で、菅浦は、淳仁天皇に仕えた人々の子孫を自認していたというだけあって、つい数十年まえまでは、他人を寄せ付けなかったという誇り高い秘境・・・という又聞きの知識も手伝ってか、ただならぬ雰囲気を感じてしまいます。
正直言って、今の菅浦を訪ねて、びっくりするような何かがあるわけじゃありません。
湖面沿い、やや山沿いの民家に沿って打ち続く石垣。
民家の背面の山の中腹に、なぜこの戸数にこれだけ・・・と思わせる立派なお寺の数々。
土蔵づくりや白漆喰の土蔵。
なぜか、西洋シャクナゲ(ホンシャクナゲじゃなく)。
滋賀でよく見かける二尊の石仏・・・。
「かつては、湖上交通の要衝として、大津のような繁栄を極めていた・・・」というような解説を読んでも、大津自体がすでにうらぶれた感じなので、その華やかさはうまく想像することができません。
それでも、ここ菅浦に、他とはちがう不思議なパワーを感じてしますのは、なぜなんでしょうか・・・?
猫も・・・淳仁天皇のころからここで退屈を持て余しているような・・・。