2009年 02月 13日
旅の人
県外者や、県外から移住してきた人のことをいいます。 どちらかというと、余所者と地の人を区別する冷ややかな言葉ですが「旅の人」というロマンティックな言葉の響きのためか、言われて悪い気はしません。
「あんた 旅の人け?」とか。
移住して、何年経てば旅の人でなくなるのか定かではありませんが「××さんは100年ほど前に大津から越して来やはった家やさかい」なんて言う因循な京都人と似た口吻から、おおよそ200~300年くらいかなと察しはつきます。
1,200年前、富山に5年間越中守として赴任した大伴家持のことは、誰も「旅の人」とは呼びません(父親は旅人ですが)。
その証拠に、これも富山の方の大好きな銅像が、JR高岡駅前、二上山(奈良じゃないですよ)、小中学校、伏木駅の郵便ポストの上…至るところに建っていますし、歌碑や万葉博物館は言うに及びません。高岡市の観光パンフレットは「今、高岡は万葉に燃えている」と絶叫しています。まるで郷土のスーパースターです。1,200年の時間のしからしむるところでしょうか?
なぜ、移設する必要があったのか…疑問です。目を挙げて(おそらく立山を仰いでいるんでしょう)筆を執るこの家持像は秀逸です。
ところで…織田信長とか西郷隆盛とか、真贋はともかく、教科書の肖像なんかで、なんとなくその姿をイメージすることができますが、家持って、どんな顔やったん…?
これも聞きかじりですが、この家持像は、当時、高岡市役所でいちばんの美男子をモデルにしているとのことです。家持とは、縁もゆかりもない人です。
今の駅前の家持像のモデルは誰なのか・・わかりませんが、今度はこの家持が北陸新幹線のための駅前再開発計画で行き場を失っているみたいです。
やっぱり、家持も旅の人なんでしょうか?